【コラム5】 『挫折のススメ』 ―兼城祐作―
 クソッタレな大人になるくらいなら、ガキの気持ちを失わないア
ナーキーの方がまだ増しではなかろうか。
 負けず嫌いの敗けっぱなしでもいいじゃないか。失敗しても「ナ
ニクソ!」と腹をくくり、何度でも挑戦する事が大事である。
 私は今までに多くの挫折を経験し、蹉鉄を踏んできた。これから
も壁にぶつかり叩きのめされる事があるだろう。だが、失敗を恐れ
ずに壁を蹴飛ばし、妥協せず、前のめりに挑戦していく自分でなけ
れば、新しい状況は創りだす事は出来ないと考えている。
 乱暴な言い方かもしれないが、身を捨ててこそ活路を見いだせる
時がある。勝つ為には敗けて挫折を経験し、痛みを受け止め、それ
を乗り越えていく勇気を持たなくてはいけない。連戦連敗で打ちの
めされて、どん底の状態でも、挑むことによって次の挑戦権が与え
られ、チャンスが生まれる。勝者と敗者は紙一重である。ベストを
尽くせば敗けたことから得る教訓は計りしれないものがあり、挑ん
でいく人生と挑まない人生ではおのずと結果が違ってくるのではな
いのだろうか。
 チャンスは誰にでも必ず訪れる。だが、常に自分自身を磨き、高
める努力をしておかなければ、目の前に在るチャンスを掴み取り、
自分のものにすることなんてできやしない。
 人は歩きたくても立っているだけで精一杯の時がある。挫折して
へこたれている時に慰めの言葉なんか要らないし、落ちている奴に
御座なりの言葉なんて掛けたくはない。“飾られた言葉”よりも、
頬を殴ってくれる“毒のある言葉”が欲しいのである。
 生きていく中でわかっている真実は一つで「いつかは死ぬ」とい
う事だけであり、それ以外の未来は何もわからない。死と向き合わ
ずに逃げて諦めるのではなく、死と対峙し、生きてる証を得る為に
挑んでいかなければ生まれてきた意味がない。昨日の失敗を悔やん
で明日を憂うよりも、今日をどう生きるかが大切であり、自分で自
分の魂を傷つけてはいけない。
 歪んでしまった“カタチ”は元に戻らないが、新しい“カタチ”
に変える事は出来るはずである。
 挫折や失敗をパワーに変えることのできる挑戦者で在りたい。
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